Kelela Auckland公演 ライブレビュー
2018年1月19日にKelela(ケレラ)のライブに行ってきたよ。
場所はK RdのStudioでキャパシティは1000人程度。
オープニングアクトは最近ニュージーランドのクラブ界隈では人気を博しているVillette。
2013年にミックステープを発表し、そのクオリティの高さ、独特な世界観とアーティスト性が話題になりました。
2017年にデビューアルバムTake Me Apartを発売し一気に知名度が上がった彼女。
今年はサマソニの出演も決まっていますね!
今回がニュージーランドでの初ライブだったのですが、彼女にとっても感慨深い滞在だったようです。
その理由は……
ライブまでの経緯
今回の単独ライブは、KelelaがThe XXのオーストラリアツアーでオープニングアクトの一人だったことで実現しました。
オーストラリアを周るアーティストは、大抵ニュージーランドもツアー日程に組み込んでくれるのです(組み込むのはプロモーターだろうけど)。
というわけで、彼女にとっては「ほんのついで」だった可能性もいなめません。
チケットの売れ行き
Take Me Apartが、年間ベストに選ばれるアルバムであったのは言わずもがな。
でも知名度に関して言えば、やっぱり「音楽通」的な人たちの間で上がっただけで、一般に知れ渡ったレベルではありません。
少しでもサポートを示そうと発売開始20秒でチケットをゲットしたのですが、実は個人的にはチケットの売れ行きが原因でキャンセルになるのではないかと懸念していたイベントの一つでした。
案の定、会場はフロアの半分に収まる程度。
500人は入っていなかった気がする。
それでもイベントをキャンセルすることなく、きっちり公演してくれたKelelaとプロモーターには感謝です。
オーディエンス層
オーディエンスは白人が多め。
しかもイケイケなパーティタイプやマッチョ系ではなく、どちらかというと控えめで図書館が似合いそうな若者と不思議ちゃん系が半分くらい。加えてアクティビストっぽい雰囲気の人たちも思ったよりいた。
とは言ってもR&Bの流れを汲んだアーティストということもあり、NZの人気急上昇中のフィメールラッパーのJess Bの姿も。 NZはアーティストの距離が近く、特に気取った様子も無理におしゃれな服を着飾ることもなく街にいる。Jess Bなんてフェスで圧巻なステージを披露した後、普通に田舎道を歩いて帰ってた。「When you have no car park around the venue(会場近くに駐車場がない時).」みたいなキャプションつけて。
スーパーかっこいいので聴いたほうがいいよ。アングラ好きはチェックしとくべき存在。
閑話休題。
とにかく普段とは違った空気に包まれていた会場。
それでも参加者が少ないせいかメインエントランスは使われずに裏門がエントランスになっていたうえに、チケットの確認すらない状態。
さすがにこんなことは初めてだった笑
ライブ内容
DJ一人、コーラス二人の凄くシンプルなステージ。
ウィスパー系のアーティストは何人か観てきたけど、個人的には今までで一番安心して聴けたライブでした。
まずKelelaの声がしっかり通りブレない。
そこに一切ブレがないコーラスが入るから多少変則的なビートでも困惑することなく音に入れる。
コーラス二人がKelelaの息とピッタリ合っていないと成り立たないステージなので、一石一朝で可能なステージじゃないのは確か。その反動か、MCはかなり少なめ。
それに加えてKelelaの鬼気迫る集中が伝わってきて、一気にKelelaワールドへ引き込まれる。深海を思わせるような落ち着いた雰囲気は、彼女しか表せないタイプのステージだと思う。
声と佇まいだけでオーディエンスを独自の世界へ引き込めるアーティストはSade(シャーデー)やErykah Badu(エリカ・バドゥ)がすぐに思いつくけど、Kelelaもその類。
数少ないMCの中で、「今回のNZ滞在は本当にかけがえのないものになった。絶対にもう一度来るから待っててね。」と話していました。
ニュージーランド到着時の出来事
NZがKelelaにとって大切な場所になったきっかけは、空港の到着ロビーでした。
このインスタでもわかると思うけど、Kelelaが到着した時にHakaの歓迎がありました。
その後にPrayer(お祈り)セッションも。
この出迎えが本当に心に響いたと何度も話していました。
その次の日にはマオリの文化を学びにマラエを周ったり。
街から5分離れるだけで広がる自然や、(彼女曰く)ブラウンスキンがさまざまな人種と一緒に暮らしているのも嬉しかったみたい。
NZの凄いところはリスペクトに値するアーティストが来ると、空港でしっかりHakaを披露し「おもてなし」をするところ。
日本のようにキメの細かいおもてなしではないけど、自分達の出来ることを精一杯することで、アーティストには気持ちが伝わっているみたい。
早く戻ってこないかなー!